筋トレでセロトニンが増える!?ダイエットだけじゃない「心が安定する」理由

「最近なんとなく気分がスッキリしない」

「仕事のストレスが溜まっている」

「ダイエット中で体重のことばかり考えて疲れてしまった」

そんなとき、

「運動すると気分転換になるよ」

と言われたことはありませんか?

実際に筋トレをしたあと、

「身体は疲れたけど気分はスッキリした」

「嫌なことを考えなくなった」

「なんとなく前向きな気持ちになった」

と感じたことがある方もいると思います。

筋トレというと、

「痩せるため」

「筋肉をつけるため」

「身体を引き締めるため」

というイメージが強いですよね。

もちろん、それも筋トレをする大きな理由です。

でも、筋トレを含む身体活動には、身体だけではなくメンタルヘルスにも良い影響が期待されています。WHOも、定期的な身体活動は成人のうつや不安の症状を軽減し、睡眠やウェルビーイングの改善にもつながるとしています。

そこでよく聞くのが、

「運動するとセロトニンが増える」

という話。

では、本当に筋トレをするとセロトニンが増えて心が安定するのでしょうか?

今回は、ダイエット中の方やこれから筋トレを始めたい方へ、

筋トレとセロトニン、そして心の健康との関係

をできるだけ分かりやすくお伝えします。


【結論】筋トレは身体だけでなく「心」のためにもやる価値がある

最初に結論からお伝えします。

筋トレは、ダイエットやボディメイクだけを目的に行うものではありません。

定期的に身体を動かすことは、メンタルヘルスにも良い影響を与える可能性があります。

ただし、

「筋トレをすれば脳内のセロトニンが必ず○%増える」

という単純な話ではありません。

運動による心理的な効果には、神経伝達物質だけでなく、睡眠、ストレス反応、自己効力感など複数の要素が関係すると考えられています。

だから今回一番伝えたいのは、

「セロトニンを増やすために筋トレしましょう」

だけではありません。

身体を動かす習慣そのものが、身体と心の両方を整える一つの選択肢になる。

ここです。


そもそもセロトニンとは?

セロトニンは、神経伝達物質の一つです。

気分、睡眠、食欲など、さまざまな生理機能との関係が研究されています。

そのため、

「幸せホルモン」

と紹介されることもあります。

ただ、これは分かりやすく表現した呼び方で、セロトニンだけで人間の幸福感や精神状態が決まるわけではありません。

人の気分や精神状態は非常に複雑です。

セロトニン。

ドーパミン。

ノルアドレナリン。

睡眠。

ストレス。

生活環境。

人間関係。

身体活動。

さまざまな要素が関係します。

なので、

「セロトニンさえ増やせば心が安定する」

と考えるのは少し単純すぎます。

それでも、運動と脳・メンタルヘルスの関係については、多くの研究が行われています。


筋トレをするとセロトニンは増えるの?

ここが今回のテーマです。

結論からいうと、

「筋トレをすればセロトニンが確実に増える」と一言で断定することはできません。

運動による神経伝達物質への影響は研究されていますが、脳内のセロトニンを人間で直接測定することは簡単ではありません。

また、運動の種類、強度、時間、個人差などによって身体の反応も変わります。

だから、

「スクワットを10回すればセロトニンが○%増える」

「筋トレを10分すれば必ず幸せになる」

といった言い方はできません。

ただし、ここで重要なのは、

セロトニンだけを見なくても、運動がメンタルヘルスにプラスになることを示す研究はある

ということです。


筋トレとうつ症状の関係も研究されている

筋トレ、つまりレジスタンストレーニングとメンタルヘルスの関係についても研究されています。

2018年に『JAMA Psychiatry』へ掲載されたメタ解析では、33件のランダム化比較試験、1,877人を分析。

その結果、レジスタンストレーニングは、成人の抑うつ症状の減少と関連していました。

さらに2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、うつ病と診断された成人を対象とした29件のランダム化比較試験、合計2,036人を分析し、レジスタンストレーニング群では対照群と比較して抑うつ症状の改善が確認されています。

もちろん、

「筋トレをすれば、うつ病が治る」

という意味ではありません。

精神疾患の治療が必要な場合は、医療機関で適切な診断・治療を受けることが重要です。

筋トレは治療の代わりではありません。

それでも、

筋トレは筋肉だけに作用するものではない

ということは知っておいてほしいと思います。


ダイエット中こそ「心の健康」も大切にしてほしい

ダイエットを始めると、どうしても数字ばかり気になります。

昨日より0.5kg増えた。

体脂肪率が減らない。

今週は食べ過ぎた。

トレーニングできなかった。

そして、

「またダメだった」

「自分は意志が弱い」

と落ち込んでしまう。

でも、ダイエットは身体だけの問題ではありません。

気持ちが疲れてしまえば、食事管理も運動も続けにくくなります。

だから私は、

「体重を減らすためだけに筋トレする」

のではなく、

自分の身体と気持ちを整える時間として筋トレをする

という考え方も持ってほしいと思います。


気分が乗らない日は10分だけ身体を動かしてみる

例えば仕事で嫌なことがあった日。

帰宅して、

「今日は何もしたくない」

と思ったとします。

そんな日に、

「今から1時間筋トレしよう!」

ではハードルが高いですよね。

だったら、

10分だけ身体を動かしてみる。

スクワット。

バックランジ。

プッシュアップ。

体幹トレーニング。

自宅でできるもので構いません。

10分やって、

「今日はここまで」

でもOKです。

大切なのは、

完璧なトレーニングをすることではなく、身体を動かすきっかけを作ること。

WHOも、身体活動は量にかかわらず「何もしないより良い」という考え方を示しています。


筋トレ中は目の前の動きに集中できる

筋トレにはもう一つ良いところがあります。

スクワットをしているとき、

「膝の向きは大丈夫かな?」

「足裏で床を踏めているかな?」

「あと3回!」

と、目の前の動作に集中しますよね。

仕事。

人間関係。

明日の予定。

ダイエット。

普段はいろいろなことを頭の中で考えています。

でも筋トレをしている数分間は、

自分の身体と目の前の動作に意識を向ける時間

になります。

これがすべての人に同じ心理効果を生むとは断定できません。

ただ、

「トレーニングしている間は余計なことを考えなくて済む」

という人にとっては、筋トレが生活の中の良い切り替えになるでしょう。


「できた」という感覚も大切

筋トレを始めたばかりの頃は、

スクワット10回でもきつい。

プッシュアップができない。

10分続けるだけでも大変。

それが1ヶ月、2ヶ月と続けるうちに、

10回できるようになった。

以前よりフォームが安定した。

少し重い重量を扱えるようになった。

身体の変化だけではなく、

「前よりできるようになった」

という変化が出てきます。

体重は毎日上下します。

でも、

「以前できなかったことができるようになった」

という成長は、体重計とは違う形で自分の変化を確認できます。

ダイエット中は、こうした成長にも目を向けてみてください。


筋トレは睡眠にも良い影響が期待できる

心を整えるうえで忘れてはいけないのが睡眠です。

WHOは、定期的な身体活動には成人の睡眠改善を含む健康上のメリットがあるとしています。

よく眠れない。

朝から疲れている。

身体がだるい。

その状態が続けば、トレーニングをする気力も出にくくなります。

だからダイエットでは、

食事。

筋トレ。

睡眠。

この3つを別々に考えるのではなく、生活全体として整えていくことが大切です。


いきなりハードな筋トレをする必要はありません

「メンタルにもいいなら毎日筋トレしよう!」

と急に頑張りすぎる必要はありません。

特に初心者の場合、

最初から毎日1時間。

いきなり高重量。

毎回限界まで。

こうしたやり方は必要ありません。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。

まずは、

週2回。

1回10〜20分。

自宅でもOK。

これくらいからでも始められます。

慣れてきたら少しずつ増やしていきましょう。


「痩せなかったから筋トレは意味がない」と思わないで

例えば1ヶ月筋トレを続けた。

でも、

「思ったより体重が減らなかった」

そこで、

「筋トレしても意味なかった」

と思ってやめてしまう。

これはもったいないです。

筋トレの価値は、

体重計の数字だけでは測れません。

筋力。

身体機能。

運動習慣。

睡眠。

メンタルヘルス。

筋トレを含む身体活動には、体重以外にもさまざまな健康上のメリットがあります。WHOも、身体活動によってメンタルヘルス、認知機能、睡眠などの改善が期待できるとしています。

ダイエットをきっかけに筋トレを始めてもいい。

でも続けていくうちに、

「痩せるためだけじゃないな」

と思えるようになれば、それも大きな変化だと思います。


筋トレは身体だけではなく、心のためにも続けよう

最後にもう一度まとめます。

「筋トレをするとセロトニンが増える」

という話はよく見かけます。

しかし現時点では、

筋トレ→脳内セロトニン増加→心が安定する

と単純な一本道で説明するのは正確ではありません。

一方で、

定期的な身体活動がメンタルヘルスに良い影響を与えること、そして筋トレが抑うつ症状の軽減と関連することには研究による裏付けがあります。

だから筋トレを、

「痩せるためだけのもの」

にしないでほしいと思います。

今日は仕事で疲れた。

なんとなく気分が重い。

ダイエットがうまくいかなくてモヤモヤする。

そんなときこそ、

まず10分だけ身体を動かしてみる。

完璧じゃなくていいんです。

体重が減らない日があってもいい。

筋トレには、

体重計には表示されないメリットもあります。

身体を鍛える。

自分のための時間を作る。

少しずつできることが増える。

そして、それを続けていく。

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